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空気神社・・・・

空気神社石碑
 
良く口にする「空気のような・・」という言葉、あなたにとってどんな意味を持っていますか?

 私たちの住む長井市から北西へ車で約1時間ほど行ったところに、世界で初めてと言われる空気を祭った神社が有ります。

山形県の南西部にそびえる朝日連峰の麓に広がる朝日町。

参道  その町に、今から約26年も前に

  「空気の恩恵を忘れぬよう空気に感謝し、神社を建てよう」

  と提唱した白川千代雄氏という人がいました。

 しかしながらその呼びかけも当時は人々にはなかなか届かず、完成を見ないままに白川氏は亡くなってしまいました。
 が、その呼びかけは時を経て自然に感謝し自然を守ろうというとする多くの人の心を動かし、1990(平成2年)7月に世界に類例のない新しい理念による神社が完成しました。

 それが、山形県朝日町にある「Asahi自然館」と名付けられた家族旅行村の中にある『空気神社』です。

 その『空気神社』は、これまでの神社と違って赤い鳥居も無ければ、高い屋根もないという神社です。

 ブナやミズナラなどの木立に囲まれた参道は、『五行海道』と呼ばれこれを登って行くと、不思議な塔が5つほど参道脇に立っています。

 この塔は、古来万物(宇宙)を生成するものは、

   【木】 (成 長・発 展)
   【火】 (上 昇)
   【土】 (収 穫)
   【金】 (新 生)
   【水】 (潤 下)

  の五元素で構成されていると言われていることを模した塔なのだそうです。

木(もく)・成長 発展 火(か)・上昇 土(ど)・収穫 金(こん)・新生 水(すい)・潤下(うるおい)

 そして、この五行(木火土金水・もくかどこんすい)の働きを、五気と呼びそれを包容しこの世に生きるものの生命を保持し形成するものが空気であると、神社に記してあります。

  木漏れ日を浴びつつ参道を登り詰めると、木立に囲まれた神殿が見えてきます。 空気神社神殿

木漏れ日の参道 神殿に参拝する人たち  そこには、社もなく地上60センチメートルほどの高さに、5メートル四方の良く磨き込まれたステンレス製の鏡のような板が、この空気神社のある山の景色と、広がる空と、参拝する人たちを写しています。

 それは、目に見えない空気というものを、光にかえて映し出していると言われています。
 神殿は、このステンレスの鏡板の下3メートルほどの深さに設置されていて、そこには神殿のほかに12の素焼きの瓶が並べられています。

 この瓶には、この山の空気が抱かれているだけですが、この神社に参拝する人たちの心を込めた柏手の音が、この瓶に良く響く用に設計されているのだそうです。

 このような神社の設計は、1989年に全国の大学と設計業界によるコンペによって、東北工業大学助教授・谷津憲司氏が選ばれそのコンセプトに沿って設計されたものだそうです。  毎年、この神社では世界環境デーの6月5日に合わせて同日を『空気の日』と定め、祭りを催しているそうです。
 その時には年一度の舞台地下にある神社の見学も出来るそうで、巫女の姿をした地元小学生の女子による舞をそのステンレス製の鏡舞台上で披露するのだそうです。

 このように、世界に例のない『空気をご神体』とした空気神社。

 お近くをお通りの際には、立ち寄ってみてはいかがでしょうか・・・・・・・・