「新品種プロジェクト」 2005.6 No80 since 1998.oct
新品種プロジェクト
今年もようやく田植えが無事に終わった。毎年最後の田植えは「さわのはな」を次の年に伝えるための原々種の田植えである。さわのはなの持つ特徴を良く見極めるため一本植えである。この一本植の生育の様子を観察し来年に伝えるべきものを選抜する。さわのはなという一つの品種を残すために毎年こうした取り組みを続けている。
この原々種の田んぼにちょっと変わった性質のものを見つけたのが2年前のことである。その後系統を分離して生育を観察していたのだが親であるさわのはなとは違う性質を持つことがはっきりした。そこで今年品種の比較試験を行い新品種としての登録申請を目指すことにした。
さわのはなの変種ということで親であるさわのはなとの違いをはっきりさせることが必要なのは当然なのだが、他の品種との比較も必要ということでササニシキ、ひとめぼれも植えた。新品種はさわのはなの持つ良食味を引き継ぐ事は容易に想像できるが、そのほかにさわのはなの欠点とされる部分を補う性質を持っていることが期待できる。
新品種は申請すればOKというものではなく、申請時に種子を添付し公的機関で再度特性試験を数年おこなった後、登録の可否が決められる。
申請手続きが済めばとりあえず皆さんに試食してもらい評価をいただくことも可能になる。新品種であるから名前も必要になる。良い名前があればぜひ名付け親になっていただきたいと思っています。今年も秋に向けて楽しみが一つ増えました。